医院の経営改善は、個別性が強いのですが、基本的なロードマップをまとめておきたかったので作ってみました。
医院の経営改善は、開業同様一つのプロジェクトです。
先生の陣頭指揮のもと、しっかりしたチームを作って実行していきたいものです。
ゴール(ロードマップ作成)
- 資金繰りの状況、財務状況を可視化する
- 経営に対する不安感、ストレスを明確にする。
- 実行すべきことの明確化し、今後経営改善していく道しるべとする。
資金繰りのチェック
資金繰り表は必ず経営改善をする場合には作成します。
(資金繰り表の必要性についてはこちらをご覧ください。)
【必要なもの】
・銀行預金の動きがわかるもの
・請求書、領収書など
【するべきこと】
資金繰り表を作成します。
少なくとも直近1年間の推移はみたいところ。
入金や支払もすべて、個別名称で項目建てして1年間のお金の出入りをすべてチェックします。
【注意点】
・配偶者に見つからないように口座を隠している場合がある。その場合は配偶者への配慮をした上で開示してもらう。
・無駄な経費、クレジット多様による「資金繰りのわからなさ」の解消が必須
・
借入金の状況のチェック
【必要なもの】
・返済明細(元本、金利、返済条件、繰り上げ返済の条件などわかるもの)
・不動産を担保に入れている場合には登記簿謄本
【するべきこと】
・全借入金の一覧表を作成して、繰上返済条件など含め比較します。
【注意点】
・個人から借り入れているケースが散見されるので、そこは資金繰り表で見逃さない
→個人からの借入が増える原因についてはこちら
保険の状況のチェック
【必要なもの】
・保険商品の内容がわかるもの
【するべきこと】
・保険の一覧を作成する。
【注意点】
・医師協経由、クレジットカード支払いなど、内容が見えにくいケースがあるので、それらも網羅する。
・奥様口座、家族用口座で支払っているケースが多いので要注意。
・保険代理店が入り込んでいて院内での発言力が強いケースがあるのでケアしつつ実行する。
患者様の状況チェック
【するべきこと】
住所の点在状況の確認
年齢構成の確認
来院方法の確認
診察内容の確認
【注意点】
事務や看護師さんから状況をヒアリングなどすることになるので、
協力体制をしっかり作るようにする。
ハード面のチェック
【するべきこと】
建物、内装などの状況の確認
医療機器の状況の確認
主要な交通網との近接状況のチェック
【注意点】
機器は日々進歩しているものもある一方、
古い方が雰囲気というか、ありがたみがある場合がある(水銀体温計など)。
患者様の導線をどのように引いているのか確認
競合のチェック
【するべきこと】
近隣の診療所(クリニック)を確認する
【注意点】
診療圏調査が利用できる場合は利用する。
立地、診療科目によって近隣の定義が変わる
webサイトの状況のチェック
【するべきこと】
自院の地域+診療科目、駅名+診療科目などをgoogleで検索する
病院検索サイト、口コミサイトへの登録状況チェックする
【注意点】
患者様にwebサイト経由で来られた方にヒアリングできればベスト
資料まとめ
ポイントを絞りつつ、不安感を解消することを第1義と考えて、
その解消手段を検討していく形をとる。