今回はクリニック(診療所)開業時の金融機関さんの選び方、付き合い方についてお話したいと思います。
金融機関さんにもいろいろな種類があり、クリニック(診療所)開業時にお付き合いする候補としては以下のものがあります。
- 日本政策金融公庫
- 地方銀行・信用金庫・信用組合
- 医療(医師)信用組合
- リース系会社
- 制度融資
- 福祉医療機構
日本政策金融公庫
新規開業資金
限度額:7200万(運転資金4800万)
期間:設備20年、運転7年
担保保証人:相談
新創業融資制度
限度額:3000万(運転資金1500万)
担保保証人:原則不要
特徴:新規で開業する際に検討しやすい政府系の金融機関です。
一方で、審査期間が少しかかるなどの特徴もありますのでうまく活用したいところです。
また、最近は民間金融機関と協調融資を積極的に実行されているケースもありますので、選択肢の一つとして覚えておきたいです。
地方銀行・信用金庫・信用組合
金額、金利、変動固定、担保の有無、保証人の有無は基本的にはバラバラです。
金融機関さんがご提案してくる中でベストなチョイスをしていきます。
もちろん、金融機関さん同士の特色もあります。
- 地方銀行 金利低め。審査堅め。融資実行後の営業活動積極的。
- 信用金庫 金利やや低め。審査は緩め。スピード感は各金庫による。融資実行後の提案なども動きがよい。
- 信用組合 金利はやや高め。審査は緩め。スピード感は各組合による。日本政策金融公庫さんとの協調融資を開業時に提案多し。融資実行後の提案なども動きがよい。
医療(医師)信用組合
開業時のパッケージ商品があります。医師会に加入する必要があります。フットワークは軽いです。
【兵庫県医療信用組合】
・不動産型
金額:1憶
期間:20年
担保:不動産
保証人:要
・無担保型
金額:5000万
期間:15年以内
担保:なし
保証人:要
その他、医療機器については医療信用組合さんとの提携融資もあります。
【大阪府医師信用組合】
・不動産型
金額:2憶
期間:35年
担保:不動産
保証人:要
・無担保型
金額:5000万
期間:20年以内
担保:なし
保証人:要
リース系会社
リース系の会社さんもリースだけではなく、開業時の融資もされています。
メインで借りるというよりも、補填的に使うというイメージでしょうか。
制度融資
貸付は民間金融機関で信用保証協会に保証をしてもらうという形になります。
多くの民間金融機関は、貸付をする際にプロパー融資と保証協会融資のうち、まずは保証協会融資を
提案してくることが多いのですが、よくお話を聞いて見極めましょう。
保証協会融資ですと、信用保証料が別途かかってきます。
一方で、貸付へのハードルは低くなりますので、民間金融機関さんとお付き合いする際にはうまく活用したい制度です。
福祉医療機構(WAM)
基本的には使うことはないかと思いますが、
長期低利で借り入れられます。
対象地域がへき地で、年間の融資件数も診療所については全国で30件弱となっています(H26~29年)。
まとめ
基本的には、
医師会に入会する場合
医療(医師)信用組合+民間金融機関or制度融資
医師会に入会しない場合
日本政策金融公庫+民間金融機関or制度融資
を目安に、リース系会社さんとも恐らく機器関係ではお付き合い出てくると思いますので、
金利や今後のお付き合いなどの方向を検討しつつ決めていきたいところですね。