次は医療法人の持分の評価のお話です。
平成29年度税制改正大綱で(執筆時点では法案は出ていません)の改正事項ですので専門的ではありますが、ざっくり記載させて頂きます。
類似業種比準価額
【考え方】
同業種の上場企業の株価に対して、上場企業と医療法人の利益・簿価純資産価額の割合を加味した株価
純資産価額
【考え方】
相続時における当該医療法人の資産負債の時価を株数で割って算出した株価
改正項目
類似の上場株式の株価について、2年間平均を使用することができるようになった。
類似業種比準価額の利益の占める比重が少なくなった。
上場株式の利益や簿価純資産価額が連結決算を反映させるようになった。
会社規模の判定見直しで併用方式の類似業種の割合(L)を高めることで簿価純資産価額が大きい中会社の株価が低くなる効果がある
影響
2年平均を使えるようになったので、急激な変動の局面を平準化させられる
成長・好業績法人の負担が軽減させられる
対策
比準要素1になると、簿価純資産の割合が多くなるので、利益は少しは出す。
大きな法人さんは、新基準をクリアして大会社として類似業種比準価額の評価にする
小規模法人は従業員を増やして類似業種の評価割合を高くする
純資産価額の引き下げは、①設備投資②低解約保険活用③退職金支給④報酬の引き上げ、で実施する。