⑤移行における税制面での金額的なメリットがあるか試算
出資持分の有無でかわるところは、
- 払戻請求権
- 残余財産分配権
です。
これらの権利を財産として認識せざるを得ないのは「相続・贈与」の局面。
考えるポイントは、
- 今の評価と今後の評価
- 今の出資持分の全財産に占める割合
等々の側面から検討を加えます。
結果、
『出資持分の評価が高く、今後も評価が上がる見通しで、
全財産に占める出資持分の割合が高ければ高い』ほど、
出資持分をなくす方向で検討する価値は高まります。
- MS法人
- 退職金支給
- 贈与による持分に異動
- 認定医療法人
を組み合わせて最適解を見つけたいものですね。
【今の評価と今後の評価について】
- 出資持分の評価が低く、今後も上がる見通しがない場合→移行しないくてもよい
- 出資持分の評価が低くいが、今後評価が上がる見通しの場合→贈与で対応を基本とする
- 出資持分の評価が高く、今後も増減しない見通しの場合→理事長の退職金で対応もしくは移行
- 出資持分の評価が高く、今後も評価が上がる見通しの場合→MS法人活用、持分なし移行検討
【今の出資持分の全財産に占める割合】
出資者の相続税の局面で、仮に以下の状態だった時を想定します。
また、相続税が課税される前提です。
- 全財産のうち3/4以上が出資持分→納税資金が足りない状況です。納税資金の確保(退職金など)を念頭に置きながら、移行を検討することが大切です
- 全財産のうち2/4程度が出資持分→そのほかの財産の内容によりますが、納税資金に苦慮するレベルです。納税資金の確保(退職金など)しつつ、移行を検討することが大切です
- 全財産のうち1/4程度が出資持分→そのほかの財産の内容・金額的な大きさによります。金額的に大きければ移行は進めたいところです