浅野直人税理士事務所│あさの会計

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雑談

大坂なおみ選手の国籍離脱による課税について2 国籍離脱時の課税関係について

こんにちは、豊中の税理士・行政書士・医療経営士の浅野です。
引き続き、大坂選手の国籍離脱を元ネタにした課税関係の検討をしてみますね。

課税について

国籍と居所の選択による課税について

国籍を離脱する際(アメリカ)

該当する者:永住権放棄者及び国籍離脱者のうち次のいずれかに該当する者

  1. 放棄前・離脱前の5年間の連邦所得税の平均確定税額が一定金額を超えていること(参考:2015年は$160,000)
  2. 放棄日・離脱日の前日の全世界純資産が$2,000,000を超えていること
  3. 放棄前・離脱前の5年間の連邦個人所得税の申告納税への準拠について宣誓証明可能

適用される課税内容

  1. みなし譲渡益の時価評価課税
    →(全世界資産を売却したとした場合の評価益-基礎控除額(2015年は$690,000))に対して課税
    ※実際の売却時には精算課税制度のようにすでに払ったものを精算可能
  2. 繰延税金資産の源泉課税
  3. 相続贈与の受益者課税

→1についてが、大坂選手について問題になるのでしょうが、
メディアに言われているような、純資産に対して課税されるのではなく、
みなし譲渡益に対して課税されるうえ、実際の譲渡までは課税を繰り延べられますので、
実際上の課税は少ないのではないでしょうか?

参考文献:大島襄『アメリカ税金ハンドブック』2015年6月12日(TKC出版)

国外に引っ越す場合(日本)

こちらは大坂選手には関係ありませんが、
同じような税制がありますので、対比させるために記述しておきます。

国外転出等をする場合の譲渡所得の特例
趣旨:キャピタルゲイン逃れを封じるため
対象者:

  1. 国外転出時における有価証券等の価額、未決済信用取引等及び未決済デリバティブ取引を「決済したものとみなした」場合の利益の額または損失の額が1憶(すべての対象資産が1億以上)を超えるもの
  2. 国外転出をする日前10年以内において、国内に住所若しくは居所を有していた期間の合計が5年超であること

取消:国外転出日から5年以内に帰国したら更正の請求して取消可能
納税猶予:5年間猶予有

離脱関係の課税まとめ

基本的な趣旨がキャピタルゲイン課税というところを念頭に置くと、
1946年に日本で実施された財産税とは少し性格が異なるものであることがご理解いただけると思います。
いくら賞金をたくさん稼得しておられても、すぐにそれらに対して課税されるわけでもないと
考えられます。

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